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猿田直樹 四谷(初段)

 我が人生に、広く大きな幅と深い奥行きが得られた極真空手

 少年時代に憧れた極真空手。私は35歳で本部直轄四谷道場に入門しました。1996年11月、初冬の空はどこまでも高く青く、さわやかな風が吹いていたことが思い出されます。
 しかし、心地良いそんな天気とは裏腹に、私の額は汗ばみ、心は少し緊張していました。
 道場の入り口に立ち、看板を目にした途端、少年の頃に伝え聞いた極真の修行の厳しさ、恐さが脳裏に蘇ったからです。私は道場の両脇にある薬局とコンビニの前を、まるで動物園の熊の様に行ったり来たり二度三度と往復した挙句、何とか勇気をふり絞り、地下の道場へと階段を下りていったのです。
 あれから4年と数ヶ月。杉村師範からは空手の技術は言うまでもなく、極真空手の素晴らしさ、人としての器の大きさを学びました。
 幸田先輩には総本部内弟子時代のエピソード、大山総裁の話題を通じて、礼儀作法及び気合の大切さを徹底的に教えて頂きました。
 この間、ケガに泣いたこともありました。また、病気で落ち込み、半年以上もの間、道場に通えぬ日々もありました。そのときです。田中先輩はじめ同期の仲間に温かい励ましの声をかけていただいたのは。お蔭様で何とか道場に復帰、稽古を再開することができたのです。私にとって素晴らしい人たちとの出会いも道場へ通う上での大きな魅力となっています。
 私は極真空手が大好きです。極真空手を始めて本当に良かったと思います。かけがえのない経験ができ、我が人生に広く大きな幅と、深い奥行きが得られた気がします。
 この度昇段を許され、黒帯を腰に巻くことになりましたが、己の未熟さに不安がないといえば嘘になります。ただこんな自分でもやればできるんだという確かな自信がついたのも事実です。今後は極真の黒帯に相応しい人間になれるよう努力精進し、微力ながら杉村道場の発展に貢献していく所存です。
 最後になりましたが、杉村師範をはじめご指導いただいている諸先生方、先輩方、そして同輩、後輩の皆様に深く感謝いたします。

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